替えの効かないデータ復旧

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 14日、地震発生以来行われていなかったプロ野球オープン戦が3日ぶりに岐阜・長良川球場で巨人−阪神戦が実施された。収益金の一部を東日本大震災の被災地に寄付する「チャリティーマッチ」として行われたが、他球団や他スポーツ界との間の奇妙なズレが余計に際だつ格好となった。

 観衆1万3411人が詰めかけた球場には半旗が掲げられ、試合開始前には巨人、阪神両ナインが黙祷を捧げるなど、試合は厳粛なムードの中、行われた。球場には義援金の募金箱も。募金額について巨人・清武英利球団代表は「100万円を超えたそうだ。支援したいという気持ちの温かさを感じた」と話した。

 試合後、阪神の真弓監督は「とにかく一生懸命、真剣にゲームをやってチャリティーをしてくれたファンの人になんとか喜んでもらって…。テレビを見てる人にも真剣にやっているのを見て喜んでくれるように」と心情を語った。

 ロッテが17、18日の主催オープン戦2試合を中止。横浜、西武も主催するオープン戦残り試合を中止とした。他スポーツ界も軒並み、試合開催を見合わせるなか、オープン戦実施に踏み切っている巨人。清武球団代表は「いろいろな考え方があるが、野球をやって勇気を伝えることも必要。たとえお客さんがたくさん来なくても、野球人として責務を全うしたい」と、残り3試合を行った上で予定通り25日の開幕戦を開催したい意向を示した。

 巨人側から「収益金の一部を被災地支援に当てたい」と大義名分を持ち出されれば、ビジター側の阪神も首を縦に振らざるを得ないところ。ただ、「国難」ともいえる緊急事態のなか、各球団ごとに任意の判断で興行を打つことについて、足並みの乱れは否めない。

 東京電力による「計画停電」も開始。清武代表は報道陣から、照明で電力が必要な東京ドームの使用についての見解を問われると「それは明日の会議(実行委員会)で…日々事態が変わっていくので、断定的には言えない」と言葉を濁した。

 球界関係者は「今回の岐阜での試合は地元新聞社・放送局が後援。岐阜では昨年オープン戦、公式戦は1試合も行われなかったこともあり、各方面との兼ね合いもあった。被災した方々は、テレビで試合を見られるわけではない。球団の判断に従うしかない選手の心情を考えると、やりにくいものだと思う」と指摘する。

 復興まで長い道のりが続く段階である現在、プロ野球興行への懐疑的な目も、あって当然かもしれない。

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 東日本大震災で本拠地・仙台が甚大な被害を受けた楽天は14日、横浜スタジアムで横浜を相手に“事実上”の練習試合に臨んだ。

 というのは、横浜サイドは事前に担当記者らに「練習試合を行います」と連絡していたが、楽天は「横浜との合同練習。実戦形式も含まれるかもしれないが、あくまで練習と認識しています」としていた。被災者の中に「野球の試合なんかやっている場合か」との思いを抱く人がいないとも限らないことに配慮したのだろう。ある意味で当事者といえる楽天だけに、他球団以上に神経をとがらせている。

 この日は無観客で場内放送もなく、電光掲示板にはストライク、ボール、アウトのカウントを表示するランプこそ点灯したが、スコアやメンバーは表示されなかった。もちろんスクリーンに映像が映し出される場面もなし。真っ黒なスコアボードが無言でグラウンドを見下ろしていた。

 「電光掲示板を使わなかったのはもちろん節電のため。場内放送を流すと、外に声が漏れ、いったい何をやっているのか−ということになりかねませんから」と横浜球団関係者も自粛モード。

 「被災地のみなさんから“こういう時こそ、野球を見て元気を出したい”という声が盛り上がってくるようならありがたいが、受け取り方は十人十色でしょう」と同関係者が続けたように、この時期の興行は難しい。

 実際、築33年に及ぶ横浜スタジアムが何度となく余震に見舞われ、ベンチにいても揺れを感じたり、スコアボードの上の球団旗などを掲揚するポールが不気味な音を立てたり。横浜スタジアムの鶴岡博社長は「私が社長に就任した8年前、2500万円をかけて専門家に詳細に点検してもらい、『関東大震災級の地震にも耐えられる』とお墨付きをもらっている」と強調するが、それでも不安な環境ではあった。

 そんな中、楽天・星野仙一監督(64)は私見と断った上で「やろうと思うから結論が難しくなる。やめて、新しくスケジュールを組み替える方が前向きだ」と、今月25日に迫る公式戦開幕の延期を訴えた。

 メジャー帰りで今年から妻子を連れて仙台に移住した岩村明憲内野手(32)は「僕の家族を含めて被災地の人たちは頑張っているのだから、僕たちも頑張らないと。とりあえず25日に合わせていくしかない」と複雑な表情を浮かべた。

 選手会長の嶋基宏捕手(26)が被災地支援策について「少しずつやっていけたらとは思うが、今はとりあえず自分たちの家族のことで精いっぱい」というのも無理はない。

 阪神・淡路大震災が起こったのは1995年1月17日だったが、今度の大震災はわずか開幕2週間前の3月11日。復興の足がかりもつかめていない被災地の現状に加え、電力不足という新たな要因も加わり、25日の開幕というのはあまりに残された時間が少な過ぎる。 (宮脇広久)

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